水耕栽培

野菜やハーブの種の発芽・リビングファーム水耕栽培

種の発芽の仕組み リビングファーム水耕栽培

 
水耕栽培で丈夫な種を作ることが出来ますが、その前提として種が発芽してくれることが大事です。

その種の発芽の仕組みを説明したいと思います。

リーフレタス、バジル、ケール、ミニトマト、ルッコラなどの種の発芽は比較的早くて,容易です。

ケール水耕栽培2S.jpg

発芽率も高くて失敗がありません。

 

しかしパセリ、イタリアンパセリ、アイスプラントなどは発芽が始まるので10日以上掛かります。

イタリアンパセリ5s.jpg

発芽期間が掛かる野菜、ハーブはその発芽するまでの管理が難しいのです。

そのためにもタネがどの様な仕組みで発芽するかを知ることは重要ですね。

 


1、発芽する3つの条件

まず最初の条件は水です。

水が種にしみこんでから全ての種は発芽がはじまります。


しかし温度が低すぎても発芽が始まりません。

そこで2つ目に重要な条件は温度です、寒い冬に向かって発芽したら大変ですね。

ですからほとんどの種は温かい春を待って発芽が始まります。


そこでリビングファームでは、種をまず冷蔵庫などの寒い空間に置いておきます。

その間に種は寒さを感じてジベレリンという植物ホルモンを増やしていきます。

そしてご注文があってから出荷しますので、寒さを感じてから暖かさを感じますので1年中いつでも発芽できるのです。


3つ目に大事な条件は空気(酸素)です。種の中にある幼根や葉っぱを成長させ発芽が始まります。

そのためのエネルギーが必要ですね。そのエネルギーは種の中に蓄えている栄養分からもらいます。

その栄養分(ブドウ糖)を作るのに酸素が必要となります。


この3つの条件が揃ったときに種は発芽を始めます。

 

もう1つ発芽に影響するものがあります。

それは光です。

種は光を感じるのですが、その光の影響は複雑のようです。

種によって光を感じると発芽が促進するものと、発芽が止まる種もあるそうです。

そこでリビングファームでは種を育苗容器のウレタン培地に植えてからは、1〜2日間黒いビニール

を被せておき、一時的に光を遮断する方法をとってます。

育苗容器の培地から発芽するかしないか関係なく2日後は光を当て始めています。

 


2、種の構造

まず種を保護するのは種皮です。

栄養分を蓄える部分は胚乳と子葉です。

根や葉を作る胚(胚軸)があります。

種子仕組み1s.jpg

そして種にはその形によって有胚乳種子と無胚乳種子とに分けられます。

1つは栄養素を蓄える胚乳が多く占める有胚乳種子です。

イネ、ムギ、トウモロコシなどの種です。

そして2つ目が、胚乳が無い無胚乳種子があります。

レタス、リーフレタスそしてダイズやエンドウマメなどの豆類のです。

これは子葉が大きく発達して、胚乳が退化して子葉に栄養分が移動した種です。

リビングファームの実験ではリーフレタスのような無胚乳種子は子葉が出来ている分、早く発芽が見られます。


3、ウレタン培地へ種植え

まずリビングファームのHスリットがある培地に種を植えてみます。

ウレタン培地にしっかりと水を含ませます。

 

その培地をリビングファーム育苗トレイに並べます。


比較的大きな種子はHスリットの真ん中に植え、小粒な種子はHスリットの3箇所に離して植えてあげます。

リーフレタス種植え 水耕栽培s.jpg発芽2S.jpgウレタン培地S.jpg


そして大事なことは種に水が浸透するように培地の上から水を与えます。

発芽1S.jpg


そしていよいよ発芽が始まります。


4、発芽の仕組み。

タネの発芽仕組み2s.jpg

種に水を与えると種皮を浸透して胚(子葉、胚軸、幼根)に到達します。

その胚の部分からまず発芽を促す発芽ホルモンのジベレリンが発生します。

ジベレリンは胚乳(子葉)に浸透していき、タンパク質分解酵素のアミラーゼやマルターゼを作ります。

そして胚乳(子葉)にあるタンパク質を分解してブドウ糖を作ります。

そのブドウ糖を栄養として胚ある根の成長を促します。

根は重力を感じて、種の置き方に関係なく下のほうに伸びていくようです。

有胚乳種子は胚乳から養分を供給しながら胚にある子葉を成長させます。

無胚乳種子には既に子葉がありますので、その子葉が大きくなって種皮を破って伸びていきます。

その場合でも根は下へドンドン伸びていきます。

リーフレタスなどの無胚乳種子は3〜5日ぐらいでHスリットのスキマから子葉が見えます。

5、種の成長

水が浸透した種はまず根を伸ばし、そして子葉を伸ばしていきます。

しかし水が充分に少なかったり、培地が乾燥するような環境ですとその成長が止まります。

リビングファームの経験では一度発芽システムが停止すると、再度水を与えても再度発芽が進まないようです。

リビングファーム水耕育苗キットで育てる場合は水を与えて後は必ず透明ラップでカバーして水の蒸発を防ぎます。

パクチー発芽3S.jpg

 

特にパセリ、イタリアンパセリ、アイスプラントなどの発芽に時間のかかる野菜などは透明ラップでカバーした後もいつも観察を続けます。

2〜3日に一回は培地のスリットの中を見て発芽の様子を見ます。

乾燥しがちですと少し水を足してあげます。発芽が始まりそうも無いときは、新しい種を植えてあげます。

水耕栽培 育苗1s.jpg
ウレタン培地などで育てる水耕栽培では発芽を観察することができるのが特徴です。

そのため発芽成功率が高いのです。

ぜひ育てたい野菜やハーブを種から育ってみましょう。

 

そして健康的な苗を作ります。

美味しい野菜やハーブの育成の第一歩は丈夫な苗を作ることです。

 

ミニトマト苗2s.jpgミニトマト苗1s.jpg


発芽するときの感激は素晴らしい体験です。

 

参考文献 『タネのふしぎ』田中 修著

 

発芽以降の苗の育て方はこちらへ