水耕栽培と植物工場の歴史

 植物を水耕栽培方式で育てることを発明したのは植物生理学を確立したドイツのザックス(J.Sachs1832~1897)です。
植物を土壌で育てる代わりに、いろいろな無機塩類を溶かした水溶液に根を浸して育てることにより、植物が本当に必要とする養分をどの程度必要とするかを知ることができ、その後の植物学、農学の発展に著しく寄与しました。
 それまでは植物に糞尿や堆肥をすき込めば生育が良くなることから、腐食物(有機物)を吸収していると思われておりましたがザックスとその後継者はこの水耕栽培法により植物が吸収するものはリン、窒素、カリウムとかの無機養分のイオン化したものでこれを根より吸収されることにより植物が成長することを突き止めました。

水耕栽培 ザックス.jpg

日本の水耕栽培と植物工場

 水耕栽培が本格的に植物工場として活用されたのは、第二次世界戦争中にアメリカが南方の基地に建設し、さらに戦後日本に米軍が駐留したとき東京の調布市と滋賀県の大津市に野菜の自給を始めたのが最初の植物工場です。
この頃の日本の農業の肥料は人糞を主に使っていたので米軍が衛生上米国本土から移転建設したとされ、その後そのとき入った技術が植物工場として日本で開始されました。

その後は植物工場の普及活動が行われましたが、それほど広く普及されませんでした。 主に太陽光を使った植物工場では関東近郊ではミツバなどが育成されたり、名古屋近郊では伊勢湾台風の後に荒れた農地に作られた太陽光活用の植物工場(M式水耕研究所)ではレタス、ホウレンソウ、ミツバなど本格的な野菜が作られ始めました。

植物工場 水耕栽培の話.jpg

 

【第三次植物工場ブーム】 2009年~

 最近では、環境問題として食の安全、地産地消そして将来の農業として注目され、2009年より植物工場について農水省、経産省合同で補助金を出しながらを普及活動をしております。

現在日本には約400か所(内太陽光のみが200箇所)の植物工場があり、光源として人工光(LED、蛍光灯、放電灯等)を使った人工型制御方式と太陽光を併用しているところがあり、又栽培方式でも水耕、噴霧、固形培地等いろいろなタイプを採用しています。
最近作られる植物工場はLEDの価格が安くなってきており,LED専用の植物工場が主流です。
昨年(2015年)より日産リーフレタスを20000個以上生産する植物工場が作られ大型化が多くなっていく一方で、街中植物工場といわれるような小型で特長のある野菜を生産し、消費地に入り込んだ植物工場(玉川大学内)が注目されています。

植物工場で作られるものは、リーフレタス、サラダ菜やミツバなどの葉菜が中心ですが、トマトやイチゴなども1年中需要があるために増えてきております。

植物工場の経営面では、なかなか厳しい状況のようですが、収益を上げるには作られる野菜が機能性野菜(ビタミン、ポリフェノールが多い)や特殊なものとしてカリウムを少なくした野菜を生産、販売している植物工場のようです。

今後は農業人口の縮小や高齢化などの問題を解決する上でも、誰でも手軽に従事することのできる植物工場が全国的に建設され、特に若い人に魅力ある農業として植物工場、水耕栽培などの技術が普及すことが急務とおもいます。

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